手放した魚、飛び立つ鳥、佇む僕の行く先は？

拝啓 スナフキン殿

孤独に憧れ、縛りを嫌い、僕が僕らしくありたいと、アイデンティティを模索して。

本当に失いたくないはずのものは自ら失い、

縛りつけるものを選びました。

かつての自分がそう決めてしまった以上、もうこれからの何かを変える術はなかったのです。

僕の幸せは、人の幸せではなく、

人の幸せは、僕の幸せなんだと証明するために生きる。

今となれば、

それが僕のアイデンティティなんだと。

そして

僕の生み出した世界は、僕が

ただひたすらに、

ただひたむきに、

ただ逃げて、

ただ目の前の現実に向き合うことを恐れ、

ただ新しい刺激を求め、

ただ僕の思いを具現化した

ただの虚像。

かたちなんて、そこにはない。

もちろん、感謝と敬意の念は忘れません。

これからは、僕を僕自身が徹底的に律し、

僕自身がただできることに素直に向き合い、

過ごすこと。

ありがとう。

さようなら。

もう、二度とあの瞬間には戻れない。

いや、戻らない。

戻ってはいけないんだ。

人は、必ずしも行く先が見えているわけじゃない。

でも、行く先を見据えて進まなくちゃならない。

物語は、続く。

しかし、ある章は、

此処でおしまい。

目出度、目出度。