正直な総括。
10年続けた仕事を、辞めようと思い立った。
しかも、決断に至ったのは僅か4日。
どう考えても、衝動的で後先を考えていないと言われても仕方ないだろう。
理由は大きく3つある。
ひとつは、今の会社・業界に、未来が見えなくなったことだ。
自動車業界は、大きな節目を迎えている。
急激に成長を積み重ねてきた、ある種異常ともいえる産業かもしれない。
しかし、これは実は数十年前に成長は止まっていたと僕自身はとらえる。
そもそも、もうこれ以上裾野が広がることは考えにくい。今あるパイを、ただ取り合っているだけに過ぎない。
作り手であるメーカーも、それは遥か昔から気づいていて、その矛先は海外へとシフトしている。
それはどんな分野でも当てはまるのかもしれないが。
会社に自分が一番危惧することは、そうなった現状を信じず、いつまでも過去の成功にとらわれ、変化することを恐れている人々が蔓延っていること。また、そういった人々が評価される組織。そして、新しいアイデアが淘汰される風通しの悪い風潮。
特に、自動車業界はそんなところは多い。
爆発的な利益と、急激な成長。
数字は裏切らないという、冷徹な実績至上主義。
人と人でしか生まれない繋がりに、大きく水を差す非情なまでの会社第一主義。
それは、現場で働いてきた無数の社員達の、綺麗事ではない、本物の血と汗と涙と、心労と、取り巻く家族と自分自身を切り刻んできた負の財産のおかげで成り立ってきた幻想だ。
過去を再びこの世に呼び戻すなど不可能だ。
たとえ同じかたちをしていても、それは同じものではない新しいかたち。
それを、真に受けとめ、変わっていく気概を持ち続けるところだけが、今後生き残っていくのだと思う。
というより、そうでなければ淘汰されて然るべき、とも言える。
…などなどと、一生懸命に考えたが、もうめんどくさくなっちゃった。
続く。